フルクラム通信

スターウォーズ考察記事などちまちまと

シークエル世代とは?

シークエル3部作に対して批判的なあるいは「映画としても...」と既存のSWファンが述べると少なからず「シークエルでスターウォーズに出会いそれで好きになる世代が居る、プリクエルが評価され始めたのがその例だ」という論調は一定数見られる。

もちろんその可能性は否定しないし今後のスピンオフ作品等でチグハグな部分が補完され再評価されるという可能性も否定しない。

だがプリクエル時代とシークエル時代では「どの映画が他にあるのか」という部分が要素から何故かみんな抜けてしまっている。

プリクエル公開時期に同じように3部作構成や続編ものはシークエル時代と違いそこまで多くは無かったのだ。ざっくりおおまかに認識しても「ロードオブザリング」「ハリーポッター」「スパイダーマン」ぐらいでありここに「パイレーツオブカリビアン」を入れるか入れないかぐらいで「競合する作品群はあまり多くなかった」のだ。当時単発作品だったアバターは微妙に年代がズレているし「ナルニア国物語」はシリーズ途中で打ち切られた。今やビッグIPと化した「ワイルドスピード」もまだフランチャイズ化する前だったし「トランスフォーマー」もやはり年代がズレている。

奇しくも上記シリーズのほとんどがシークエルと似た時期に続編や前日譚を作っているのも面白いが。

 

だがシークエル公開時期になるとマーベルやDCをはじめとするユニバース作品やレジェンダリー主導のモンスターバース、巨大IPに成長したワイルドスピード等の「シリーズ物映画」が矢継ぎ早に供給され熱心な映画ファンですら全てを追いかけるのは難しいような年代になった。

その中で「映画としての出来」すら評価が曖昧なシークエルにハマる若い世代が出てくるのかと言われるとプリクエル時代とは映画業界そのものの構造まで考えるとなかなか難しいのではないかと思わざるを得ない。

そもそも他のユニバース作品は基本的には「⚪︎⚪︎2」などの表記ではなくサブタイトルをつけるパターンも多くその時点でいきなり「EP7」というこの前に6作品あるというハードルがあまり無いというのも判断材料にしないといけない。

ナンバリングタイトルとして作品を作れば作るほどシリーズのファンは呼べるが完全新規は入りづらいという現象に陥りやすいのだ。

特にスペースオペラ物としてならMCUから誕生した「ガーディアンズオブギャラクシー」の方がよっぽどスターウォーズらしいという論調すら当時あったのだ。

ディズニーがどこまで「スターウォーズ」という看板を掲げようと完全新規の人間からすれば比較対象はオリジナル3部作でもプリクエル3部作でもなくその前後に公開された映画になり熱心なマニアが持つ忖度エンジンは動かない。

 

その答えは5年後10年後あるいは20年後まで待つしか無い。